【情報弱者にならない為に】確定拠出型年金の課税について
老後2,000万円問題
新型コロナ禍のおかげで、すっかり忘れちゃった人も多い気もするが
いわゆる「老後2,000万円問題」というものが昨年、世を賑わかせた。
それに伴い、積み立てNISA や 個人型確定拠出年金「iDeCo」を始めたという人も多いのではないだろうか。
前者は、年間の限度額の制約があるものの、運用益が非課税に
(40万円/年、通常のNISAは120万円/年)
後者は受け取りが原則60歳以降となる制約があるものの、その間の運用益は非課税。
また掛け金が全額、所得控除の対象となり、「所得税」と「住民税」が軽減されるなど、節税ができることで知名度を上げたものである。
特に、後者「iDeCo」は、文字通り、ベースとなる公的年金に上乗せする「私的年金制度」として、国が後押しする制度であり、話題の課題解決に今後も加入者数が右肩上がりになることは間違いないだろう。
iDeCoに課税!?
しかし、
この個人型確定拠出年金といえど、課税対象になる法律が存在することはご存じだろうか?
「特別法人税」という税金である。
これは、1962年に成立し、元々、企業年金積立金に対し、法人税法上課税される税金である。
確定給付企業年金、確定拠出年金の場合は、積立金の全額に、一律1.173%の特別法人税が課税される。
しかし、バブル崩壊後の景気低迷や低金利による運用難から、99年4月より、当面の間、課税が凍結され、その後も2~3年ごとに凍結が延長されてきた。
現在は、20年の税制改正により、令和5年3月31日までその凍結期間が延長されている。
つまり、いずれは課税される恐れがあるということだ。
課税額の計算は単純である。
税率は1.173%なので、運用金額×1.173%/年の税金が差し引かれる。
つまり、運用総額が100万円なら1万1,730円が毎年課税されるわけだ。
運用益が、それ以下ならば、当然元本割れすることになる。
編集後記
そこまで理解して、運用している人はどれだけいるだろう?
「宣伝で運用益が非課税になるって聞いたから」
「なんか、節税になるらしいから」
「年金がアテにならないし、国が推奨してるし」
ホントに大丈夫だろうか?
iDeCoは、制度として活用することは悪くない。
しかし、ポートフォリオに組み込める商品は、低リスクである分、相当に自由度が低い。
運用である以上、もちろん、勉強は必要である。
しかし、今の時代、情報は簡単に手に入る。
なにも自分が専門家レベルになる必要はない。
少なくとも、このようなサイトを読むなど
知らなければならない情報は、知っておくことが重要である。
それで、「人のせいにする」ような情けない状況になるのだけは避けられるだろう。